光り輝く向こう側

"何か"に惹かれて、憧れて。その光の向こうへ。

ラブライブ!サンシャイン!!と紙飛行機

みなさん、こんにちは。


もうそろそろで5thライブを迎えますね。今回のライブのタイトルが 「Next SPARING!!」 ということで劇場版に沿った構成であると思われます。

これまでのライブに参加したことのある方は、タイトルロゴやグッズにつけられたモチーフとなるものが何かしらの意味や意図を持って出てきていることは感づいているのではないでしょうか。

それぞれのライブの幕間によるアニメ内での登場だったり、2ndの 「HAPPY PARTY TRAIN」 での列車の模型、3rdの 「WATER BLUE NEW WORLD」 による青い羽根、4thのAqours Ship、など実際に目の前で登場させたりしていました。5thでもこういった演出をする可能性が無くはないんじゃないかなと。


そこで、5thのタイトルロゴやグッズを見てみた。その時、気になったものが。タイトルロゴには無いが、一部のグッズに 「紙飛行機」 が出ているのである。また、3rdのペンライトを持っている人は見てほしいのだが、先端には羽根と紙飛行機が描かれている。

この紙飛行機が何の意味、意図を持って出てきたのか、私たちに何を訴えかけようとしているのか分からなかった。以前に、個人的な考えではあるものの紙飛行機について書いたことがあるが、そこまでアニメとの関連性を書いていない。だから、自分なりではあるけれど今思う範囲でいろいろと考えてみました。


5thで紙飛行機が出てくるとは限らない ( 出てきたとしても幕間のアニメ内だろう。) が、劇場版で登場したからにはそれについてある程度なんとなくだけど分かった状態で迎えられたら、このライブも違った視点や思いで楽しめるんじゃないかなと。

あくまでも、私自身が思うことを書いているので違っている場合も考えられます。そこはご了承下さい。そのように捉えるかどうかはみなさんにおまかせします。





サウンドトラックと千歌の心境

紙飛行機が登場する場面で流れていたサウンドトラックに注目すると、

2期1話
夢を飛ぶ紙飛行機
友情diary

2期13話
夢と現実の狭間
私たちの輝きはそこに

劇場版
想い出を飛ぶ紙飛行機
Everything is here
そして、明日へ

になる。そして、明日へ以外の曲では主に千歌に焦点が当てられています。なので、この時の千歌の心境についても触れながら振り返っていきたい。


その前に、過去 ( 空想かもしれないが ) その場面も出てきているため、時系列に沿って見ていきたい。

これに関しては、アオイさんがその記事をお書きになっています。ここに関してはこの時系列であると仮定した状態で話をしていきます。


aoiroma.hatenablog.com


これを先ほどのような記事での時系列と多少の入れ替えを考慮した順番に並び変えてみると、


1.想い出を飛ぶ紙飛行機
2.夢を飛ぶ紙飛行機 / 友情diary
3.夢と現実の狭間
4.Everything is here
5.私たちの輝きはそこに
6.そして、明日へ


という順番になります。多少の入れ替えに関してはあくまでもこの順番にしてみただけなので、特にそれといった深い意味はないです。

1は幼少期の千歌が登場することから始めに。友情diaryは夢を飛ぶ紙飛行機の場面と似ていることから一緒に。6は内容からして一番最後に持ってきました。これから、この順番で振り返ってみようと思います。



1.想い出を飛ぶ紙飛行機
この場面は劇場版冒頭、三津海水浴場に幼少期の二年生3人が登場します。千歌と曜が紙飛行機で遊んでいるときに飛ぶ紙飛行機は、千歌の現状を表しているのではないかなと思う。2期13話での千歌の母の言葉、

“ ねぇ、覚えてる? 昔の千歌はうまくいかないことがあるといつも人の目を気にして本当は悔しいのにごまかして諦めたふりをしてた。紙飛行機のときだってそう。”


このセリフと冒頭の場面で、幼少期の頃からスクールアイドルを始めるまでその状態にあったことがわかり、実際に幼少期の頃に紙飛行機で遊んでいた姿を確認出来ます。


梨子が 「もっと、飛ばせる?」 と言ったとき、それに答えたのは曜なんですよね。千歌ではなく。この冒頭で、1期1話の過去の場面や普通怪獣ちかっちーを思い出します。

曜のときは上手く飛んでいくのに、千歌のときは上手く飛んでいかない。この二人の置かれている立場が違うことを表していると同時に、前はそういう状態だったことを思い出させるようになっているのではないかなと。


梨子の 「これ、あなたの?」 の後に飛ぶ紙飛行機は場面が変わり、青い鳥と空に漂う9人それぞれのメンバーカラーの羽根が映ります。これについては後ほど。


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ここの場面は人によって解釈の仕方が違ってくると思います。千歌の過去のとある実際にあった場面として捉えることも出来るし、今までの千歌の軌跡を “想い出” としてイメージされて出来た実際には無い場面として捉えることも出来る。

なかなかここは、一つの答えを提示するというより複数の視点から想い出を眺めたり、時には思い出したりするところに重点を置いているのだと思う。



2.夢を飛ぶ紙飛行機 / 友情diary
夢を飛ぶ紙飛行機は2期1話の冒頭、千歌が夢見ていて、その中で紙飛行機に手を伸ばすところですね。紙飛行機は光に向かって斜め上に飛び続けていて手を伸ばしても届かないほどに進んでしまっています。

一方、友情diaryは同じく2期1話の後半、先ほどと同じ風景を夢見ていて、その中で千歌が何かに気付く場面。

この二つの場面で登場した紙飛行機は同じ意味を持っているように思うが、この時の千歌の様子によって異なった意味を持つようになっていると感じる。


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夢を飛ぶ紙飛行機に関しては、“夢を飛ぶ” というタイトルから、いろんな複数の意味を含んでいるように思う。

例えば、否定的なニュアンスとすると、千歌が思い描いていた目指すものへの道筋の過程。バスや電車で例えてみると分かりやすいかもしれません。

バスや電車は目的地へと運んでくれます。ですが、乗り遅れてしまうとそのバスや電車はもう行ってしまい、目的地にたどり着くことが出来なくなる。目的地へ行くための方法や手段はあったのに、何らかの影響で乗れずそこへ行けなかった。ましてや別のルートで遠回りになってしまうことと似ているような気がします。

千歌が見つけた答えや選択 ( を持って目指すものへと進むための場所に行こうとしている ) が肯定されず ( 何かに直面して阻まれ )、しまいには、その本当の答えは何なのか ( 目指すものへの行き方を ) 見失ってしまった状態であると同時に、裏を返すとその時点では叶わぬ夢を表しているのかなと。


肯定的なニュアンスとすると、紙飛行機が千歌の思いを乗せている、光を輝きや目標とそれぞれ捉えて考えてみたときに、困難で立ち止まってしまったとしても、その紙飛行機は光に向かって落ちることなくその方向へと突き進んでいるから、彼女がなんとかそれを乗り越えるという暗示にもなっているようにも感じられる。


友情diaryもタイトルから読み取ってみようと思う。diaryは「日記」という意味で、過去の出来事を記したもの。それを言い換えてみると「軌跡」になる。また、それは同音で別の意味の「奇跡」というのもある。

この紙飛行機は千歌の後ろからやって来て光がある方向へ前に進む。それは、「軌跡」が通った経路 ( または千歌の後方 )、「奇跡」がこれから進む経路 ( または千歌の前方 ) となっているようにも思える。その両方から何か千歌は感じ取って、奇跡を起こすと決意したのかなと。



3.夢と現実の狭間
ここは2期13話の冒頭、三津海水浴場で千歌が紙飛行機を飛ばしている場面。しかし、上手く飛んでいきません。まだ千歌は悩んでいるように見えます。

輝きを探すという夢からこの後に気付く輝きがここにあったという現実を見つめ直すまでの道のりのまだ途中にいることなのだと思う。

紙飛行機が上手く飛んでいかないことがまるで千歌の心情や状況を表しているかのように。



4.Everything is here
劇場版で9人が浦の星女学院から三津海水浴場へ訪れるあたりですね。幼少期に移り変わる場面では、紙飛行機を持った幼少期の千歌だけでなく8人の姿もあります。

そこで投げた紙飛行機は前へと進み、鳥へと姿を変える。ここの場面も鳥に変わるのですがこれも後ほど。


想い出を飛ぶ紙飛行機の場面が二年生3人に対して、Everything is hereの場面ではAqours9人と、始まりとその後の関係のようにも感じられます。

Aqoursの活動が千歌、曜そして梨子とスクールアイドルを始めたばかりの頃を。後に、一年生の3人と三年生の3人が加わった9人で駆け抜けてきて辿り着いたときの情景をそれぞれ連想させる。


二年生3人のときの場面では千歌が放った紙飛行機は上手く飛んでいかないが、9人の場面ではみんなに見守られながら千歌が放った紙飛行機は一直線に青空へと飛んでいく。


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この二つの場面によって千歌の取り巻く環境や自身の変化を読み取れると同時に、その変化とは対称的に映る風景は全く変わらずに同じもので、それは消えずに残っていくということが表れているようにも感じられるのではないだろうか。



5.私たちの輝きはそこに
2期13話の後半の場面、ラブライブ! で優勝したものの探し求めていた輝きがまだ明確にはっきりしていないことが千歌から語られます。この時に2回飛ばした紙飛行機が両方ともすぐに落ちてしまうところからもそのようなことを読み取れるのではないでしょうか。

そんな状態の千歌に、千歌の家族は言葉をかけます。その後に千歌が放った紙飛行機は一度落ちそうになるが持ち直して前へと進んでいく。


浦の星女学院へと向かっていったのは、彼女たちが過ごしてきたというのもあるけれど、千歌にとってはどの場所よりもここに対する思いが強かったからなのかなと。

でも、今気が付いた。無くなっちゃだめだって。私、この学校好きなんだ。


追いかけてみせるよ。ずっと、ずっと。この場所から始めよう!出来るんだ!


1期6話での千歌の言葉からその思いの強さを感じ取ることが出来るだろう。



6.そして、明日へ
劇場版のエンドロールが流れ終わった後のシーン。ここでの紙飛行機は東京での大会の結果用紙で出来ているということはご存知だと思います。

砂浜に落ちたあの光景だけでなく、最後にアップに映る紙飛行機は、劇場版での冒頭を思い起こす。始まりと同じ終わり方になっている。

それでも違うところは、紙飛行機が冒頭では千歌個人 ( 一人 ) であったが、最後ではAqours9人だけでなく彼女たちを取り巻く人たちも含めたものとして変わっているように思える。


紙飛行機とそれを構成している東京での大会の結果用紙から、これまでのAqoursの軌跡を表していると同時にあの二人に対してのメッセージなのだろう。



紙飛行機の意味

ここまでみてきて思ったことは、

紙飛行機は限定してある1つの意味を持った存在として登場しているのではなく、場面における状況や心情に応じて異なった意味を持って登場している

のでは?と。


紙飛行機はいろいろな折り方があり、飛行機の形も違ってきます。それと似たような感じで、紙飛行機における意味も時と場合で変化していると考えられる。

しかし、それだとまだ疑問に思う点が残ってしまう。それは、今まで登場してきた紙飛行機が “へそ飛行機” と呼ばれる折り方、その紙飛行機しか登場していない点である。


先ほど説明したものは、紙飛行機が持つ意味が変わってくるには異なった形の紙飛行機が登場すると捉えられてもおかしくない。“へそ飛行機” だけが出てきたということは全体を通して何か共通したある意味を持っていることになる。


それは、周りの協力があって初めて前へと進むものと考えている。


そもそも紙を飛行機の形に折って作らないといけないし、飛ばす時も投げなければ空へと飛んでいかない。飛んでいる時でも風や障害物の影響を受ける。長く遠く前へと一直線に進むためには自力ではなかなか難しく何かしらの力が働いている。というようなことを以前書いていました。

紙飛行機を折るという過程が比喩のような意味合いで知っている人、知らない人まとめて周りの誰かの力を借りて今の自分を形作っている。その周りの誰かの力が無かったら今の自分にはならなかったと思うときがある。紙飛行機を飛ばすときでも、人が投げることで飛んでいく。~(中略)~ これも、先ほどのように置き換えてみると、周りの支えがあるからこそ頑張れて目標に向かって突き進んでいるというような感じに捉えられるのかなと思う。風で押し戻されたり、障害物に当たって墜落してしまったりして飛んでいかないときは挫折でどうすることも出来ない感覚を何度も味わっている状態と同様のような気がする。それでも、紙飛行機を長く遠くへまっすぐ飛ばそうと投げる人が試行錯誤してなんとか飛ばそうと試みている。ときには友達と一緒に。まるで、挫折をしている人に手を差しのべて手助けしているかのように。

紙飛行機 - 光り輝く向こう側


結局言いたいことは、周りの人たちに支えながらここまで過ごしてきたということです。思い出してみて下さい。いろいろな人に助けてもらいながら、Aqoursのメンバー同士で困難や苦悩を乗り越えていたはずです。

劇場版でも、ステージの設営や音響などを浦の星女学院の生徒だけでなく、統合先の静真高校の生徒も手伝っていた。

紙飛行機が飛んでいるシーンでも、想い出を飛ぶ紙飛行機では曜が、Everything is hereでは8人が、私たちの輝きはそこにでは千歌の家族がいたように。


紙飛行機は周りの協力があって初めて前へと進むものという根底的な意味に加えて、場面の状況や心情に応じた別の意味を持ち合わせたものとして、それらを私たちに伝えたかったのかなと思う。


その紙飛行機が向かっている先は、目標や輝きなのだろう。それを叶える、見つけるためには一人だけではなかなか難しい。誰かしらの手助けがあって初めて自分では気付かなかったことが分かるようになることもある。まるで、ひとりでには飛べない紙飛行機が誰かの手によって空へと飛び立つように。



なぜ1期で登場しなかったのか

ここまで紙飛行機の意味について考えてみたが、振り返ってみると2期と劇場版にそれは出てきた。1期には登場していない。いったいどうしてなのだろうか。

そこで、1期を振り返ってみた。やはり目を引くのは鳥や羽根の存在である。ところどころに鳥や羽根が登場しており、ラブライブ! のコンテンツにおいて重要なモチーフとなっている。また、鳥や羽根については後に少しだけ触れているのでそのときに。


でも、よく思い出してほしい。千歌がスクールアイドルを始める決意をしたあのシーンを。


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あのシーンの直前から “紙” が出てきている。


紙はこの場面だけでなく、新規部活動申請書、部員勧誘やライブ開催のお知らせのチラシ、復学届、署名の記入用紙、東京の大会の結果用紙など1期では数多く見られた。

紙飛行機は紙で出来ている。紙飛行機のもととなるものはすでに1期で登場していたのだ。しかし、それが紙飛行機へと姿を変えて登場することはなかった。


その背景には、彼女たちがまだ自由に走ることが出来なかった状態にあったことに関係があるように思う。


1期では、彼女たちはそれぞれ悩みを抱えておりその状況から抜け出すということにも一つの焦点として当てられていた。ある意味、それがわだかまりとなって自分自身を苦しめている状態であった。

なんとかその状態から抜け出し、全員が一つとなって同じ目標に対して目を向けてそれに取り組む。1期12話の国府津海岸で0から1にしたいと決意したところで、ここからが本当のスタートのように。


劇場版をよくよく思い出してみると、イタリアの場面で紙飛行機は登場しなかった。

ここの場面で主軸の中心となっているのは鞠莉で、鞠莉を含む三年生は鞠莉の母から逃げ回っていた。鞠莉の自由を奪われないために。

このときの鞠莉は彼女自身で進む道を探し選んで自由に走ることが出来ずにいた状況だったために紙飛行機が飛ばなかったのかもしれない。


イタリアの場面で披露された逃走迷走メビウスループとHop? Stop? Nonstop! の2曲には、歌詞に 「自由」 の言葉が使われていたのもそれが関係しているのかなと。

ずっと自由に生きてたいって

逃走迷走メビウスループ


それには自由なツバサで Fly away !!

Hop? Stop? Nonstop!


それとは対称的に、イタリアの場面では鳥や羽根が出てきた。それはなぜなのだろうか? その問題については下にある次のことも踏まえながら考えてみたい。



紙飛行機から青い鳥への変化

紙飛行機が青い鳥へと変わるそのひとつとして、答えを導く手助けをすることにあるのだろう。


昔の人々は航海をするときに鳥の習性を利用することがありました。

航法技術を補うユニークな手段が鳥の利用だった。ハトやカラスなどの陸鳥を船に乗せておき、陸地や島が近づいたと判断される地点で船上から放す。鳥は、陸地を見つければその方向に飛んでゆくから、その行く手に陸地が存在することがわかる。もし陸地が近くになければ、鳥は船に戻ってくる。

日本船主協会:海運資料室:海運雑学ゼミナールより引用


鳥が人に対して目的地へ導くための手助けをしていることがここで分かる。


青い鳥に変化したのは、この劇場版のサブタイトルが『オズの魔法使い』の劇中歌である「Over the Rainbow」からきていることや、メーテルリンクの童話に関連しているのだろう。両作品はどちらも青い鳥が登場し、それがラブライブ! サンシャイン!! のストーリーと似ている。

また、2期7話で羽根が青色に染まったことからその色の羽根を持つ青い鳥として変わったことも要因の一つなのかもしれない。



鳥と紙飛行機は「飛ぶ」という共通した性質を持つ。だから、全く違う別の意味に変化するのではなく、この二つには共通した意味が根底にあってさらに異なった何かの意味が互いに付け加えられているのだと思う。

鳥でも雛から成長して大きくなるには親鳥による世話が欠かせないし、渡り鳥でも何羽、何十羽もの集団を作って移動していく。


となると、紙飛行機が鳥へと変わることが、周りの協力があるという根底の意味に加えて、何かしらの答えを導く手助けをするという意味にもなる。


このコンテンツでよく目にしてきた羽根もその意味の一部を含んでいるのかもしれない。


1期12話の根府川駅で千歌が白い羽根を手にしたときや2期7話の空も心も晴れるからのシーン、劇場版で理亞が羽根を見つけたときなど数多く見られ、それらは彼女たちが何か壁に直面する前後や前に進むきっかけとなったときに現れてきた。

鞠莉の母が三年生の場所を突き止めたときも偶然にも白い羽根が落ちていましたし...。


イタリアの場面に切り替わった直後に鳥が登場する。一、二年生の6人は行方不明になった三年生を探すという理由だけでイタリアに来た訳では無かった。三年生と直接話をするために。

また、逃走迷走メビウスループ前の青い羽根も三年生の三人にとっては、今まで逃げ回っていたが、後に9人として鞠莉の母と対峙することになる。

このようなことから、紙飛行機ではなく鳥や羽根が出てきたのかと自分では思っている。


青やそれぞれのメンバーカラーに染まる羽根は彼女たちのこれまで過ごしてきた日々や彼女自身について肯定された証のようなものなのだろう。

(ライブシーン後)Saint Snowから飛んでいった羽根の色がピンク色だった理由は?


酒井監督:あの羽根は、理亞ちゃんの心を示した色なんです。TVアニメで彼女は自分の羽根の色を見ることができませんでした。でも劇場版のあそこで顔を上げた時、新しい自分の志を持つことで羽根が見えた。Aqoursが自分たち色の羽根を見つけたように、理亜ちゃんも彼女らしさを見つけた、というシーンにしたかったので、その想いを込めました。

http://gs.dengeki.com/news/126092/より



それらの鳥や羽根は誰かをその人が目指しているものへと導く手助けをしているというのは彼女たちの世界だけでは無いと思います。

彼女たちの物語を見てきた私たちにも向けられている。人によってどんなものを受け取ったかは異なっていると思うが、少なからず、私たちに対して何かを伝えようとしていたはずです。

本物の羽根ではありませんでしたが、ライブで青い羽根が実際に私たちの目の前で舞っていたように。



ラクーン屋上からの紙飛行機

ラブライブ! 決勝延長戦で、Aqoursラクーン屋上から 「Brightest Melody」 を披露した後に「キセキヒカル」 のイントロと同時に飛び立つ紙飛行機。ここではこの場面を考えてみる。


「Brightest Melody」 では、サビに入るあたりで彼女たちの背後にある山から朝日が昇る前後に朝焼けが生じる。

この朝焼けという言葉は英語で、「sunrise」、「morning glow」 と言う。


「sunrise」 ってどこかで聞いたことあるよな...。あれ... 劇場版が始まる時にも目にしたような気が...。っていうかラブライブ!でよく目にするなあ...。そうです! もうお分かりだと思うのであえて説明はしません...。


そっちよりも説明したいのが、「morning glow」 の “glow” という単語。“glow” の原義は 「輝く」 という意味なのです。他には 「熱情」 や 「光を放つ」 など。

ここで、「Brightest Melody」 のサビの歌詞をみてみると、

キラキラひかる夢が
僕らの胸のなかで輝いてた
熱く大きな “キラキラ”

Brightest Melody


つまり、ラクーン屋上での風景を見ただけでも彼女たちが今どんな思いでいるのか、どんな状態でいるのか歌詞が無くても背景だけで読み取れるようになっている。


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また、この朝焼けや朝日に向かって紙飛行機が飛ぶ。それは、輝きに向かって飛んでいるということになる。その紙飛行機の意味は誰に対して向けられているのだろうか?


一つは、新しいAqoursになる6人と三年生それぞれに対して。新しいAqoursとしてやっていく決意を固め、新たな目標や夢、輝きに向かって歩みを進めた。

また、三年生もそれぞれ将来のために別々の道へと進む。その先にある新たな景色を見に行くために前へと進み始めたことの象徴のように感じる。


もう一つは、これを目の当たりにした渡辺 月と配信を見た静真高校の生徒たちではないかと。これらを見て、何のために部活動をしてきたのか、自分たちも本気にならないと、などいろいろなことに気付いた。

たぶん、彼女たちは部活動でも助け合いながらやってきたこと、楽しむことを思い出したのかもしれない。特に、月に関しては、朝日に照らされる彼女たちの姿を見て何か感じるものがあったと思う。彼女たちもまたそれぞれの目標に向かって走り出したのだろう。



僕らの走ってきた道は...

この曲にも紙飛行機が出てくるため、先ほどのことも踏まえながらみていこうと思います。その前に確認しておきたい楽曲があるため、そこから話をしていきたい。


2期OPの未来の僕らは知ってるよから歌詞と映像をみてみる。

歌詞に注目してみると、彼女たちが過去を振り返ったり未来を思い描いたりしているというよりかは、「イマ」 について歌っているように感じる。現在進行形のような曲として捉えられる。


映像では紙飛行機が登場し、その後に、もう一つのステージに続く道が滑走路のようにも見えなくはない。


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そして後ろに映るスクリーンには、内浦の三津海水浴場が。


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なぜ、未来の僕らは知ってるよを確認したのか?

今現在を歌うこの曲が、僕らの走ってきた道は... ではこの曲の未来にあたる。言い換えれば、未来の僕らは知ってるよに対しての答えを僕らの走ってきた道は...で提示しているという関係性があるのではないかと。


僕らの走ってきた道は... が流れる前に三津海水浴場が映る。その風景は未来の僕らは知ってるよのスクリーンに映るものと同じであるが、砂浜にはラブライブ! の優勝旗が掲げられている。


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今現在を歌った曲のときにはないものが、ここでその答えを示すかのように形として表れているようにも感じられる。


その場面で飛んでいた青い鳥が、ここではそうではなく仲見世商店街や沼津の風景に紙飛行機が飛んでいる。


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それは、この曲を今まで過ごしてきたことへの軌跡として歌っているとすると、鳥よりも紙飛行機の方が意味として妥当性があるように思う。踊っているのはAqoursの9人だけではないし、そこに住む人たちも描かれている。

偶然なのか、意図してやっているのかは分からないが、紙飛行機は内浦・長浜方面から沼津市街地へと向かっているようにも見える。


最後の場面でも紙飛行機が飛び、その後、飛行機が飛び立つ。飛行機はよりもっと遠くへと飛んでいける。


実は、飛行機を私たちはすでに見ているのだ。2期9話よりももっと前に。

皆さんは覚えているだろうか?

彼女たちの物語の始まり。1期1話で、内浦の風景にほんの微かに映りこむ飛行機の姿を。


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考察はこれぐらいですかね。でも、これはあくまでも私の個人的な考えでそれが合ってるとは限らないです...。逆にこういう考えもあるんじゃないか?とか教えてほしいくらいなので。



そんな彼女たちのキセキや輝き、新たなスタートを私たちはメットライフドームで、LVで目の当たりにします。彼女たちの一つの区切りとそこから始まる新たなスタートに立ち会えることが出来る。

それを見た私たちはどんな思いでいるだろうか? これからどんな思いを持って過ごしていくのだろうか? それは、当日になってみないと分からない。けれども、このライブが 「楽しみ」 なのは変わりない。だって、輝くことは 「楽しむこと」 だから。みんな輝ける。




そんな景色があの場所で私たちを待っている。






出典画像/
https://youtu.be/LxS4fg4g8FQ
https://youtu.be/8APMYrkmitE
https://youtu.be/v_EWZo-PLJY
https://youtu.be/gbFobF58W7g
https://youtu.be/AjsBFJ90TvY